7/5のアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドの3か国でのリリースを皮切りに世界各国で爆発的な人気となっているNiantic社の「ポケモンGO」ですが、日本も例に漏れず7/22のリリース以来、大流行となっており、連日メディアに取り上げられる社会現象にまでなっています。
各国のAppStore、GooglePlayでも、ダウンロード、セールスともに驚くべきスピードで首位に駆け上がっており、日本ではサービスインから24時間待たずしてAppStoreの無料ダウンロード、トップセールスで首位を獲得し、集計期間の長いGooglePlayでも7/27時点でダウンロード1位、トップセールス2位となっています。
多くのブログやニュースサイトでいろいろ述べられていますが、この記事ではポケモンGOがここまで爆発的な流行となった要因について自分なりに考察してみました。
3つの要因
ポケモンGOの大流行の要因には大きく3つあると考えています。
任天堂のポケモン(Pokémon)IP
ポケモン(Pokémon)は数万人規模の世界大会が行われるほど、海外でも人気のIPです。
始まりは1996年にゲームボーイでリリースされた「ポケットモンスター 赤・緑」で、ファミ通で度々延期される発売日を追いかけていたのを覚えています。
ポケットモンスターはリリース前にそれほど注目のタイトルではなかったのですが、リリースされると当時の小中学生を中心に大流行し、その後のアニメ、映画、グッズなどのIP戦略の展開もあって、今では「Pokémon」として海外でも通用する任天堂の一大IPに成長しました。
このポケモンの強力なIPがリリース後に即座にストアの首位に駆け上がる「瞬発力」を生み出したのは間違いありません。
Niantic社のデータとノウハウ
世界地図に「ポケストップ」のデータを配置することを想像してみてください。
とても1ゲーム会社の1タイトルで手におえる物量ではありません。
ポケモンGOの開発を手掛けるNiantic社のCEOであるジョン・ハンケ氏(John Hanke)は、Googleで「GoogleMap」、「ストリートビュー」、「Ingress」といったGeoサービスに携わった後にGoogleから独立しており、ポケモンGOでもGoogleの持つ膨大な地図情報が活かされています。
ポケモンGOの「ポケストップ」はNiantic社が2014年よりサービスを運営している「Ingress」の「ポータル」がベースとなっており、Ingressの2年以上の運営で蓄積されたデータやノウハウが活かされています。
リリース当初はサーバー負荷に悩まされていましたが、世界規模で大流行するゲームのアクセスに耐えうるインフラは計り知れず、そこにもGoogleやNiantic社のノウハウが活かされていることでしょう。
このように、世界規模の位置情報ゲームをゲーム会社単体で作ることは非常に困難です。
Googleから独立しIngressを手掛けたNiantic社なくして、この成功はなかったでしょう。
ポケモンの収集要素と位置情報ゲームの親和性
GPSを用いて現実世界の地図を眺めながら、自らの足で歩いてモンスターを探し、収集するゲーム性は、ポケモンのゲーム本編でフィールドを歩いてモンスターを探し、収集するゲーム性を彷彿させます。
ポケモンGOでは更にモンスターが位置情報や時間により出現し、周囲にいるユーザーと出現モンスターが共有されます。
周囲でプレイするユーザーと喜びや感動を共有できる点では、本家を凌ぐゲーム性だと思っています。
メディアではユーザーが公園に集まったり、集団で移動する様子が取り上げられており、これも拡散という形で大いに流行に寄与していると考えます。
ポケモンGOには「収集」以外に「強化」、「進化」、「ジム」といった要素がありますが、PvPが実装されていない現状では「収集」が一番ウケているものと考えています。
2015年の「ポケとる」(Pokémon Shuffle Mobile)など過去にもいくつかポケモンIPを使ったアプリがリリースされていますが、ここまでのヒットにはなっていません。
やはり「収集」を主軸に置いたゲーム性が多くのユーザーのニーズにマッチしたのでしょう。
まとめ
ポケモンのIP、Niantic社のデータとノウハウ、収集要素と位置情報ゲームの親和性、どれが欠けても今回の大ヒットはなかったでしょう。
先行で配信開始された各国の様子がメディアにより拡散され、今回の爆発的な大流行に繋がったものと考えています。
日本ではまだリリースされて1週間ですが、アメリカではようやく落ち着いてきたようです。(落ち着いたといってもとても高いところで落ち着いてますが)
8月月初の商戦や1か月後の状況など、今後もポケモンGOの動向に目が離せません。
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